"Why I ordered"
Why I orderedでは私が自分のために仕立てた洋服について、なぜこの生地を選んだのか、何を考えて仕立てたのか、完成した洋服の着想感はどうなのか、どんな着方をするのか、私なりの考えを記事にさせていただきます。
是非ご覧くださいませ。
PIACENZA(ピアチェンツァ)社が展開するコレクション"ALASHAN BREEZE(アラシャン ブリーズ)"
この生地は数年前から続いているコレクションであり過去に何度も目を通していたのですが、見て触れる度に"いつか仕立ててみたい" "いつか着てみたい"と強く感じさせてくれた品質であり、私にとっては憧れの素材でした。
ウール・シルク・リネンの3つの繊維を混ぜた生地は春夏素材として定番であり、イタリア生地ブランド数社からスーツ用やジャケット用として展開されている素晴らしい品質として私のお気に入り素材のひとつです。
今回ご紹介する生地は、定番生地のウールが担っている役割に最高級カシミアを使用して"Cashmere60%&Silk32%&Linen8%"という特別な品質で織り上げられております。
カシミアとシルクが織り成す美しさと軽やかさにリネン特有の爽やかな質感をミックスさせた生地は、カシミアの扱いを得意とするピアチェンツァらしさを感じさせてくれるクオリティーです。
色と柄のバリエーションが豊富なコレクションの中から、私は自分用ジャケットにブラウンのウィンドペーンを選びました。
裁断前の大きな生地の状態で品質の確認をしながら改めて感じたことは、カシミアの特徴であるしなやかさと滑らかな肌触り、シルクが持つ上質な艶と軽やかさ、カジュアルな雰囲気を増すリネンの繊維、カシミア・シルク・リネン全ての魅力を上手に引き出して組み合わせてる素晴らしい素材であると確信しました。
190g/mの超ライトウエイト、盛夏はもちろん日本の気候では春と秋にも使える便利なクオリティー。
こちらの生地はジャケット生地の中では非常に軽いウエイトとなりますので、どのようなデザインでどのような構築感で仕立てるべきかをイメージしながら素材を吟味します。
ジャケットが完成。
この生地の品質の魅力については既に触れましたが、生地のベースの色味とのコントラストが美しいウィンドペーン柄にも強く惹かれて自分用として選びました。
ベースのブラウンは温かみと柔らかさを備えたチーク材のような自然な色味、そこに施されたライトブラウンのウィンドペーンの組み合わせは今までに見たことがなかったのですが、コーディネートのイメージが沸いてくる魅力的な色味・色使いだと思いました。
個人的に好みのデザインであるシンプルなフラップ無しの切りポケットで仕立てました。
着方や好みに合わせてフラップ有り切りポケット、アウトポケットも適していると思います。
生地の軽さを活かした、柔らかい仕立て。
仕上がったジャケットを早速着てみました。
同系色のネクタイを合わせたコーディネート、シャツはサックスブルーのピンストライプ。
格子のタテヨコのバランス・サイズ感も整っており、使い勝手が良いウィンドペーン柄です。
生地が放つドレープの美しさ。
ブラウンのドット柄ネクタイとブラウンのピンストライプシャツをコーディネート。
アイリッシュリネンのホップサックで仕立てたラフな生地感のパンツを合わせました。
ジャケットとパンツの生地感にコントラストをつけた組み合わせ、生地の質感を変えることでコーディネートにアクセントを加えることができます。
仕立てたオーダージャケットにジーンズを合わせて、ノータイで過ごすカジュアルスタイル。
このブラウンは、濃い色味のリジットデニムから少し洗いがかかった色味のデニムまで合わせやすい色味です。
デニムだけではなくオフホワイトやベージュのチノクロスで仕立てるコットンパンツを合わせたいと思い、このジャケットをキッカケにbrisbane moss(ブリスベン モス)のコットンパンツを仕込み中。
仕上がってきたらコーディネートをInstagramでご紹介させていただきます。
シャツは程よい質感のあるコットンリネンのロンドンストライプ。
コットンリネンやリネン、コットンのオックスフォードはノータイにも合わせやすいカジュアルさを備えた質感として夏場のスタイルには欠かせないシャツ生地。
ネイビーニットポロを合わせた、ブラウンとネイビー2色使いの安心感がある色の組み合わせ。
このコーディネートはインナーとボトムスをネイビーで統一しましたが、ウィンドペーンぐらいの色味のベージュ系のパンツを合わせてブラウン・ネイビー・ベージュの3色でコーディネートをすると爽やかさ・清潔感を与えることができます。
最後はイダスクラッチのクルーネックを合わせたリラックススタイル。
仕事での着用を終えてインナーを着替え、寛ぐための時間にも着ていたいと思える快適な着心地のジャケット。
私にとっての憧れだった生地は、あらゆる場面で活躍してくれるブラウンジャケットに仕上がりました。
ALASHAN BREEZEから選んだ今回の生地は素晴らしい品質・使い勝手の良い柄・魅力的な色味、DORSOがお薦めしたいと思える要素を全て備えた生地としてピアチェンツァ社から3着限定で仕入れて"DORSO STOCK COLLECTION"としてご用意致しました。
"DORSO STOCK COLLECTION"は、既に手に入らない生地・今後手に入りにくくなる生地・現行コレクションの中からDORSOの視点で厳選した生地を揃えております、DORSOが選びストックをすることで通常よりも仕入れコストを抑えることができるので、魅力的なご提案の実現を可能にします。
"PIACENZA"の"ALASHAN BREEZE" は、DORSO店舗やトランクショーでご用意致します。
どんな生地にも同じことが言えるのですが、生地は実際に触れてみないとその生地が持つ本質や魅力を感じることができないと思っております。
ご自身の手で感触を確かめて、目で見てイメージを高めることがオーダーの満足度を高めることに繋がりますので、是非実物の生地を手に取ってご覧くださいませ。
生地や仕立てに関するご質問やご相談を喜んで受けさせていただきますので、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡くださいませ。
*名古屋トランクショー
2025年1月17日(金)〜 1月19日(日)
*福岡(博多)トランクショー
2025年1月30日(木)〜 2月1日(土)
*熊本トランクショー
2025年2月1日(土)〜 2月3日(月)
*大阪トランクショー
2025年2月13日(木)〜 2月16日(日)