新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
2023年が皆様にとってすばらしい一年になりますよう心からお祈り致します。
PROCESS OF ORDERING
お客様から頂戴したオーダーアイテムの素材選びから仕上がりまでの過程について、Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)のCashmere100%でお仕立てしたシングルチェスターコートを一例にご説明をさせていただきます。
DORSOでコートをオーダーいただいた場合のご注文からご納品までの流れ、お客様からのご要望やこだわり、私自身が洋服作りに対して大切にしていることについて触れさせていただきます。
今まではお手持ちのネイビーのチェスターフィールドコートやカジュアルコートをメインに着られていたお客様。この度はDORSOで明るい色味のシングルチェスターコートのオーダーをリクエストいただきましたので、いくつかコート生地をご覧いただき、今回はErmenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)のコートコレクションからピュアカシミアならではの発色の綺麗さが特徴でほんのりグレーがかったベージュをお薦めさせていただきました。
色の持つ魅力が今回のオーダーの決め手となりましたが、オーダーコートを仕立てる際に生地のウエイト選びは着用シーンをイメージしながら決める重要なポイントとなります。東京在住で出張の多いお客様にとって使い勝手が良く、永く着ていただける上質な一着として460g/mのカシミア100%のコート生地をお選びいただきました。
先ずは着用していただき、お選びいただいた生地の雰囲気、全体のバランスをチェックさせていただきます。
オーダーコートの丈を設定する為に、お客様の生活の中で着用されるシーンやお好みの着方について対話をさせていただきます。今回のオーダーコートは、お客様がコートに求める"シンプルかつ軽快"を重視したバランスとデザインで仕立てさせていただきます。
肩回り・胸回りの設計は、スーツやジャケットを中に着ることをイメージしてサイズ調整を行うことが重要となります。
ジャケットやスーツの仮縫いと異なり、コートの仮縫いではジャケットを着ることを前提条件にアームホールや鎌の深さ・肩幅・前身頃の幅・背幅について確認をさせていただき、ゆとりの設定をさせて頂きます。
因みに、今回のお客様はDORSOでは2着目のご注文となります。コートは初めて仕立てさせていただきますので前回のジャケットの採寸・仕上がりデータを基にコートの仮縫いを設計させていただきます。
シングルチェスターコートが完成致しました。
コートのディテールについて、写真でご説明させていただきます。
まずはフロントの釦を閉じた時の全体の雰囲気。
フロントの釦を開けた時の雰囲気。
釦を閉じた時のラペルのロール。
釦を開けた時のラペルのロール。
生地の色より濃いブラウンの水牛製ボタンを付けさせていただきました。
腰ポケットのデザインはフラップ付きの切りポケット。
袖口は4個ボタンの本開き仕立て。
オーソドックスなセンターベント。
シンプルなバックスタイル。
コートの上襟に使用する裏側の生地は、表生地を使用して仕立てております。
仕上がったコートを着ていただき、全体像のバランスについて最終確認をさせていただきます。
しばらくの間着ていただき、お話をしながら洋服が身体にどのように馴染んでいるか、狙っていた設計に仕上がっているかについて確認をさせていただきます。
仕立ての良い洋服は着用を重ねることで着る方の身体に寄り添います。
それが仕立て技術であり、素材の活かし方であり、オーダーの醍醐味です。
コートは着る時期は限られている洋服ですが、冬を楽しむのに欠かせない特別な存在の洋服です。
毎年クローゼットから出して着るのが楽しみになるようなコート、DORSOのオーダーコートで冬の装いに彩りを与えることを目指して丁寧に仕立てさせていただきます。
*名古屋トランクショー
2025年1月17日(金)〜 1月19日(日)
*福岡(博多)トランクショー
2025年1月30日(木)〜 2月1日(土)
*熊本トランクショー
2025年2月1日(土)〜 2月3日(月)
*大阪トランクショー
2025年2月13日(木)〜 2月16日(日)