お客様との会話の中で最も多くいただくご質問やご相談をご紹介致します。
①オーダーもしくはオーダーメイドで仕立てた洋服と既製品の洋服の違い
②オーダースーツを扱っている店ごとの違いは何なのか
③オーダーした洋服の着心地が必ず自分に合うのか
④オーダーした洋服がイメージ通りに仕上がるのか
⑤自分自身に合う洋服が分からない
⑥生地を見ていても仕上がりのイメージができないからオーダーは難しい
⑦オーダーに興味はあるが、自分に何が合っているのか判断できないから一歩を踏み出せない
お客様ひとりひとりがオーダーに対して抱かれる期待・不安・疑問はそれぞれかと思いますので、今回のブログでは、"⑦オーダーに興味はあるが、自分に何が合っているのか判断できないから一歩を踏み出せない"をDORSOなりに考えていきます。
先ずオーダーでスーツ・ジャケット・コートを仕立てるということについて。
オーダーに興味があっても、実際にオーダーをして洋服を仕立てることに対してハードルが高いと感じられる方は多いと思います。
その理由はいくつもあると思うのですが、そもそもオーダメイドスーツ・オーダースーツという言葉自体の定義が曖昧なために、どんなオーダーを選んだらよいのか分からない、店によって名称が異なるのでオーダー自体の内容が分からないなどと感じられている方が多いのではないでしょうか。
私も何度もDORSOでのオーダーの流れや仕立て方についてお問い合わせをいただいた経験がございますので、一般的なオーダーの種類について簡単にご紹介させていただきます。
オーダーで洋服を仕立てる方法・名称として代表的なものは、
・BESPOKE ビスポーク
・フルオーダー
・パターンオーダー
・MTM メイドトゥメジャー
・MTO メイドトゥオーダー
・Su Musura ス ミズーラ
・セミオーダー
・イージーオーダー
・パーソナルオーダー
となります。
この言葉の意味について、日本では各店ごとの商品名として使用されておりますので名称と内容(システム)の関係について明確な決まりごとはないので、一つ一つの名称と内容について解説すること自体が難しいと私は思います。
例えば、"BESPOKE"という言葉はテーラー業界ではよく使われる言葉のひとつですが、ほとんどのテーラーが最上級ラインとして提案をしている仕立て方となります。
但し、ビスポークの制作過程やオーダーの流れについてもテーラーによって様々であり、テーラーそれぞれの考え方が反映されております。
つまり、オーダーの名称だけでは各店・各テーラーの仕立て方の違いや独自性を判断することは難しいので、オーダーに興味を持たれている方は先ずは気になっている店に行ってスタッフやテーラーと話をしてみることをお薦めします。
初めてオーダーでスーツやジャケットを仕立てる場合,洋服の仕立てについて知識が予め必要と思われている方やオーダースーツ店に入ることに対して敷居が高いと感じられる方が多いのですが、勿論そんなことはないので"こんな服が欲しい""こうゆう場面で着る服が欲しい"といった、何となくのイメージをお持ちいただけたら十分かと私は思います。
そしてオーダーで最も面白く、また最も悩ましいのが生地選びではないでしょうか。
DORSOでは、お客様からの生地に対するリクエストをお伺いした上で、幾つか質問をさせていただきお客様のリクエストの"核"となる要素を模索しながらお話することを心掛けております。
例えばネイビーの無地は定番素材なので何百種類と各社コレクションに存在するのですが、それら全てをご覧いただくのは不可能なので、お客様の求めている"ネイビーの無地とは何なのか""ネイビーの無地に何を求めてるのか"を把握する必要が我々テーラーにはあると思っております。
オーダー時に完成品を確認することができないオーダーだからこそ、生地の品質や性質を理解して完成品についてのイメージを高めて、お客様の理想に合う生地をご提案する必要があり、その結果オーダーでしか体感することができないクオリティーを実現できる可能性がオーダーにはあると思っております。
生地選びはオーダーの醍醐味でありオーダーの初めの一歩なので、オーダーに興味をお持ちいただいてる方は、先ずは下見だけでも大丈夫ですので実物の生地に触れてご覧になられることをお薦めさせていただきます。
そして"自分に何が合っているのか判断できない"という点について。
自分に合うと思えるオーダーをする為に必要なことの条件は二つあると私は考えております。
一つ目は、①ご自身に似合う・自分のイメージに合う生地選びをすること。
前述した通り、生地選びはオーダーにおいて重要な第一歩です。
生地選びがうまくいかないと、どんなに仕立てが良くても自分自身に合っているとは思えないかと思います。
オーダーで洋服を仕立てることに慣れてくると、生地を見るだけで何となくイメージができたり、今まで着てきた洋服の経験値から仕上がりをイメージできるのですが、初めてのオーダーではなかなかイメージを明確にはできないので、初オーダーでの生地選びを成功させるコツは、信頼ができるスタッフやテーラーとご自身が理想とするイメージを共有することです。
好感が持てるセンスやスタイルのあるスタッフやテーラーを見つけ、洋服について話し合い、意見を参考にすることで、新たな発見に繋がり素晴らしいオーダーを体験していただけると信じております。
二つ目は、②ご自身に合うフィッティングであること。
スーツやジャケットに関して言えば、ご自身の身体に合ったサイズ感・全体のバランスの良さ・快適な着心地を実現させることが、その洋服が自分自身に合っていると感じることができる判断基準だと私は思います。
オーダーの洋服のバランスやサイジングについては、テーラーによって考え方がそれぞれ違います。テーラーの考え方の違いを理解する為には実際に仕立ててみることが良い方法であることは間違いないのですが、今回のブログでは初めてのオーダーのについて触れておりまので初オーダーでテーラーの考えの一部(奥が深いので全てとは言い切れません)を知るための方法をご紹介します。
これは当然のことですが、テーラーである作り手やフィッターのスタイリングやスーツ・ジャケットのバランス感を観察されることです。
ヴィジュアルだけでテーラーの考え方や仕立てのクオリティーを判断するのは難しいと思われるかもしれませんが、提案する側(テーラー・フィッター)の考え方・その洋服の狙い・そして美意識は本人のスタイルに全て反映されていると私は思います。
テーラーなら必ず自分自身に洋服を仕立てて、自分で着ることでデータを取り、そのデータや経験を基にお客様のオーダーに携わるので、テーラーが着てる洋服の雰囲気やバランスに好感が持てるかどうかはオーダーにとって重要な判断基準となります。
勿論、オーダー主であるお客様とテーラーでは体型の違い・年齢の違い・好みの違いがあるので、オーダーでは同じものが仕上がるということは基本的にはありません。
そういった"違い"に気づき、"理想"を模索し、"イメージ"を共有するための手段として、DORSOでは"仮縫い"をサービスでお薦めしております。
(1着目のオーダーでの仮縫いは無料です)
仮縫いを制作過程に取り入れることで、初めてオーダーをされる方にとっても仕上がり前の状態を一度確認をしていただけるので、仕上がりを"イメージ"するのに役立つと思います。
それと同時に、私にとっては仮縫いを通して"違い"と"理想"を把握し、サイジング・バランス・着心地の向上を図るのに役立ちます。
仮縫いについては過去のブログ"③オーダーした洋服の着心地が必ず自分に合うのか"でもご紹介しておりますので、ご覧くださいませ。
お客様との会話の中で最も多くいただくご質問やご相談について、7回に分けてDORSOなりの考え方をご紹介させていただきました。
このブログを読んでいただいてる方のオーダーの参考になればと思い記事を書きましたが、私の文章ではお伝えできることに限界もありますので、オーダーについて気になることやご相談がございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。
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